「ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編」(同人)

 ここ三ヶ月ほど待ち続けた「皆殺し編」を遂にプレイ。
 今回でほとんどの謎が明らかになるらしく、大きな謎が次々と解ける……のだが、真相自体は脱力感が漂う。どうも作者的には「ひぐらし」という世界を構成するルールを推理して欲しかったらしく、犯人などはさほど重要ではないという噂だが、それにしてもこの真相はやばいだろう。
 とは言え、つまらなかったかというと不思議なことにそうでもない。作品の根本的なアイデアは面白いと思うし、中盤の燃え展開も熱い。細かいところはともかくラストも強烈。某シーン流れる「虚」など音楽による演出もよく、物語に引き込まれ一気にエンディングまで読ませられた。
 また、今回の主人公・梨花ちゃまの感情の激しい揺れ動き(ぶっちゃけ躁鬱)、我らがメインヒロイン詩音の暴走振りには非常に萌える。詩音はどう見てもヤクザの娘さんだったがこれはこれできゅんきゅん☆です。まぁ、たかのんには萌えていいかどうかは微妙だが。
 他のキャラも、主人公その二の圭一は格好いいし、レナも前回の汚名返上とばかりにハイスペックぶりを発揮。一部空気を読めていない子や使えない人もいたが、基本的には皆活躍で物語を大きく盛り上げているかなと。
 そんなわけで、ミステリ的には非常に問題ありだが物語的には面白いという結論になる。信者フィルターがかかっているにしても、あの真相でマウスを投げ飛ばさせないというのは凄いなと。
 追記(2006.7.5.):今回重要なのはあくまで前半で、後半はエンターテインメントと作者が言っていたんで、あの超展開もまあいいかという結論になった。あくまで舞台設定ということで。