『白い花の舞い散る時間〜ガールズレビュー〜』 十一冊目

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

 不思議なジャンル・リリカルミステリー第一弾。とある塾のチャット仲間五人。顔も本名も知らない彼女らはオフ会をしようと「ムラサキカン」に集まるのだが、実際に現れたのは四人で……というお話。
 館を舞台に殺人事件が起こる。彼女はメンバーの誰なのか、ハンドルネームに秘められた謎を探れ! ……みたいな話を想像していたのだが、ふたを開けてみたら昼メロ的ドロドロ展開だった。これはこれで面白いし、全体の構図も良いんだが、互いにハンドルネームしか分からないという設定をもうちょっと生かして欲しかったかも。
 あと、某人物がラスト付近で唐突に豹変するのだが、P282のセリフに太字が混ざっているセンスは最高だったかな。