『半分の月がのぼる空』 七冊目

 ちょっとした病気で入院した主人公・裕一は、重病を抱えるヒロイン・里香と出会う。彼女のわがままに振り回されつつも次第に仲良くなっていき……という青春病気ものシリーズの第一作。
 病気シチュが好きなので読んでみたが、正直今一つ。私は人生で最も大切なのは意地だと思っているので、思想的に対立する主人公はいけ好かなかったし、わがまま放題なヒロインもツボが外れてかわいく思えなかった。
 そんなわけで、メインの二人にはさっぱり感情移入できない上、ストーリーもぱっとしない。タイトルセンスと一部の文章回し、クライマックスの里香を連れて砲台山を登るシチュエーションなど悪くないし、全体的にも普通のレベルだとは思うのだが……。現在六巻まで出ているようだが、私はここでギブアップすることにしよう。