『絶望系 閉じられた世界』 十八冊目

絶望系 閉じられた世界 (電撃文庫 1078)

絶望系 閉じられた世界 (電撃文庫 1078)

涼宮ハルヒ」シリーズの谷川氏が送る実験作(自称)。賛否両論というよりは面白いという人の方が少なそうだが、私は好きだ。ストーリー自体は大きな動きがなく中盤やや中だるみを感じるが、随所にニヤソできるネタが含まれている。登場人物である「死神」と「天使」のペダントリーな下ネタトーク(萌えとエロの違いとか。萌えは恣意的なイデオロギーであってはいけないらしい)やクマのぬいぐるみが「人類の罪」でウサギが「神への罰」だと言うシーン、後半の「カミナ」の絶望云々に関するセリフや「捕らえて殺し、硝酸で溶かして外洋に投棄しました」の連発などなど。全体的に小難しいっぽい+電波なノリが続くので非常に萌え萌えである。まぁ、背伸びしたい中高生向けな感は否めないが……。
 追記。以前は上記のように思っていたが、さすがに基本の面白さが足りないかなと思い出してきた。嫌いではないのだけれど。