『世界の中心で愛を叫ぶ』 十九冊目

世界の中心で、愛をさけぶ

世界の中心で、愛をさけぶ

 映画化・ドラマ化の上さらには舞台化までするらしいベストセラー。ベストセラーということで巷で叩かれているが、実際に読んでみると確かに面白くはない。前半淡々としすぎて話に引き込まれず、ヒロインに愛着を覚えられなかった上、構成上ヒロインが死ぬことが最初から分かってしまうのでインパクトもない。この程度の料理法では泣けません。
 とは言え、駄目は駄目だが読んでいていて苦痛でもなかったので、世間で言われるほどの核地雷ではないかなと。有名な「助けてください」のシーンや装丁はなかなかだし。
 蛇足。原題の『恋するソクラテス』は内容的に合っているにしても正直どうかと思う。パクリ(「エヴァ」を観て適当につけた説が濃厚か)とか言われているがこのタイトルにして正解だろう。