『ちーちゃんは悠久の向こう』 四冊目

ちーちゃんは悠久の向こう (新風舎文庫)

ちーちゃんは悠久の向こう (新風舎文庫)

 五つの賞を総なめにした高校生作家のデビュー作。「新風舎文庫大賞」受賞作品。主人公とヒロイン・ちーちゃんの平穏な日常が、ある日を境に音を立てて崩壊していく様が描かれる。
 西尾氏のデッドコピーとか囁かれているが、158ページからのモノローグがそのまんまでちょwwwと思ったくらいで、全体的には目くじらをたてるほどではないかな。
 構成が微妙だったり、見せ場となるべきシーンがあっさり流されてりと物足りない部分もあるが、壊れ系鬱話をちゃんと描けている。主人公が虐待を受けるシーンなど、読んでいて頭がグラグラし気分が悪くなった。つまりは物語に引き込まれたわけで、その辺を評価出来る。「天才高校生」というフレーズは言いすぎだが、十分満足できた。
 後ラストが不明瞭だが、(ちーちゃんが先輩の体を乗っ取って、主人公とくっついた)と解釈しているかな。要はハッピーエンドですね。