『三毛猫ホームズの推理』 三冊目

三毛猫ホームズの推理 (角川文庫)

三毛猫ホームズの推理 (角川文庫)

 粗製乱造作家三人集の筆頭、赤川次郎の人気作品群「三毛猫ホームズ」シリーズの第一作。主人公・片山刑事は知人の依頼で女子大生殺人事件を捜査することになる。女子大の寮を調査する中、依頼主の文学部長が密室の中で殺されて……というお話。
 何と言っても本作の売りは、猫が実質的な探偵役であるという個性的な設定だろう。テレパシーか何かで、ホームズの推理が直接語られるのだとばかり思っていたが、まあこれはこれでありですかね。
 また、密室トリックも斬新で良いのだが、冷静に考えると無理があるかも。(ネタバレ、音が……ねえ?)犯人の指摘根拠が薄い割りに、フィーリングで結末が分かってしまう点と合わせてもう少し工夫して欲しかったかも。
 全体的にはそこそこ面白いんで、有名作だし一応押さえておいても良いんじゃないかなと。