『総理大臣のえる 愛の支配者』 二冊目

総理大臣のえる」シリーズの第八作。今巻では、のえる同様悪魔の力でアメリカ大統領になった少女・ノアが登場。
 シリーズが続くにつれだんだんインパクトが薄れてきたが、それなりに面白い。
 とりあえず、初登場のノアがなかなか良いキャラだった。来日時マスコミから政治の方針を聞かれるのだが、すかさず世界制服を宣言するやら、手始めに某半島の某国を八時間足らずで壊滅させるやら……。例によって、当て馬キャラに少し萌えてしまった。
 中盤まではいつものようにコメディ(コミケで同人誌を売ったりする)が続くが、次第にシリアスになってくる。のえると健太の恋の行方もそうなのだが、良い国も悪い国もないをテーマとしたっぽい話なのかなと。
 その辺では『バイバイエンジェル』の「利害の対立に由来する個と個の、共同体と共同体との抗争にどんな価値序列が存在しうるだろうか」のくだりを思い出した。あれは矢吹駆と犯人の対話に萌える小説だと思うんだが、どうだろう?