2010-17本目 空を見上げる少女の瞳に映る世界

空を見上げる少女の瞳に映る世界 1巻 [DVD]空を見上げる少女の瞳に映る世界 1巻 [DVD]
木上益治

角川書店 2009-03-27
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 京都アニメーションのオリジナル作品にして黒歴史。「種死」、「Angel Beats」に匹敵するワーストアニメ界の怪物でもある。


 異世界の危機に召喚される一般人のヒロインとその人間的な成長などの雛形は王道、大まかな作品の設定も悪くないはずなんだが、出来上がった作品はとにかく電波。とりわけ、3話の「川渡り」のシーンは伝説扱いされるレベル。ユメミの友人・スズメとのその彼氏が困難にぶつかっていく姿を見て、自分も現実に立ち向かうぜ的な流れなのは分かるんだが、とっぽい兄ちゃんとロリ(浮き輪付き)のカップルが川を渡る姿はシュールすぎるというか何故その選択肢なんだwww その上、ギャラリーは応援し出すしwww


 電波度で言えば、クライマックスのユメミの達観した語りも高ポイント。BGMやら展開は何やら感動的に盛り上げようとしているようだが、急に達観されても困る。何言ってるのかさっぱりわからないぞユメミさんとか思っているうちに、作品が完結してしまった><


 センスが基本電波なのが悪いといえば悪いんだが、この作品で問題なのは何でも説明で済ませようという姿勢じゃないかな。天上世界の設定から、ユメミと友人の関係、個々のキャラの心情まで、とにかく説明台詞のオンパレード。物語を通して描いていこうという意思に欠けるので、受けては実感がわかず置いてけぼりになっている感じ。特に主役の一人であるムント様とか説明している印象しかないし、もっとユメミとの関係を掘り下げて欲しいところ。


 全力で足を引っ張っている脚本以外はむしろ高水準なんだけど、残念ながら得体の知れないアニメと言わざるを得ないwww それにしても、劇場版化は誰得なんだろうwww