『愚者のエンドロール』 十三冊目

愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

 古典部シリーズ第二弾。文化祭用のクラス制作の自主映画の試写会にいった古典部一行。その映画はミステリものだったのだが、被害者の死体が発見されるところでフィルムは終わっていた。例によってえるにせっつかれた奉太郎は、映画の真相を究明しようとするのだが……というお話。
 今回は映画内の殺人事件の真相についてあーだこーだ話し合う物語なわけだが、『氷菓』で扱われていた問題と比べ、よくある平凡な殺人事件なわけで……。題材をどっちでもいいやと感じてしまったため、イマイチはまれなかった。
 とは言うものの、物語自体の真相は良かったかな。ホームズ作品を使った伏線には納得したし、ほろ苦風味で、青春ならではのミステリだった。
 あとは最終章「エンドロール」のやりとりか。某人物は格好いいし、えるの言葉で締められる最終ページの流れも良かった。や、私は好きな人なんだけどね。