『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』 九冊目

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

このライトノベルがすごい!」で評価が高い青春暗黒小説。中二病リアリストな中学二年生・なぎさのクラスにある日、自称人魚の転校生・藻屑がやってくる。どうでもいいとスルーする彼女だったが、何故か藻屑にまとわりつかれることになり……。
 まず目を引かれるのは、ヒロイン・なぎさの内面描写だろう。生きるのに直接関係ないことを砂糖菓子の弾丸に喩え、自分には実弾(金とか)しかいらないとリアリストぶるさまは非常に萌える。
 そんな中二病ぶりも良いのだが、砂糖菓子の弾丸というフレーズ自体にも心を引かれる。特に最後の二行だが砂糖菓子云々の文章回しが素晴らしく、作中で引用されるクイズの出題から回答までのやりとりと並んで印象深い。