「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」 一本目

 ガンダム初のOVA作品。一年戦争時、サイド6で起きた新型MS・アレックスにまつわる事件、それに関わった少年・アルとジオンの新兵・バーニィの交流を描いた作品。
 最初は戦争ごっこの延長で事件に関わっていたアルが、戦争というものを知り、成長するさまが良く描けていた。アルを慰めようと「戦争はまた起こるって」と笑いながら言う友人のセリフが、成長したアルとの対比である(多分)と同時に、グリプス戦役の予言でもあるわけで、物悲しく印象的なラストである。
 また、一度は逃げ出そうとしたバーニィがやはりアレックスに立ち向かおうとするくだり、予想以上に悲劇的な結末も良い。エンディング最後の止め絵「HAPPY NEW YEAR!」も最高である。ラストだけカラーという粋な演出もさることながら、「HAPPY NEW YEAR!」の示す意味に気づいたとき思わず泣けてくる。小説版ではラストが違うらしいが、今のままで問題ないと思うんだが……。
 冷静に考えるとガンダムである必要は微妙だが、今まで見たガンダムシリーズの中で一番好きだ。テレビシリーズとは違い、六話で綺麗にまとまっていたので、ダレずに観ることができたのも大きいかも。