「らくえん〜あいかわらずなぼく。の場合〜」 二十六本目

らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~

らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~

 エロゲー製作チームを描いたドキュメンタリー的作品(一部実話含む)。某掲示板の2004年度ランキングでは三位を記録しており、マイナーな名作として妙に評価が高い。
 内容的には、当たり前のように2ch語が登場したり、妹を紹介すると「義理か?」、「ヤったのか?」と聞かれるエロゲ脳などエロゲに親しんでいるといっそう笑え楽しめるネタが満載。業界ネタも豊富で、「スランプでライターが逃げ出すのなんて当たり前」とか非常に生々しく苦笑いさせられる。キャラも魅力的で掛け合いも楽しく、コミケの説明シーンなどマシンガントークが多く萌える。
 後半になると一転してシリアスになるが、受験や締め切り前の追い込みの辛さなどしっかり描けている。主人公のポエティカルなモノローグ、ヒロインのモノローグで画面を埋め尽くす演出も素晴らしい。
 作品としてかなりの良作だが、それ以上に製作陣のエロゲに対する熱意がひしひしと伝わってくる。面白いとか笑えるとかそれ以上に、いい作品だなと。