『無限のリヴァイアス』一巻 十三冊目

 同名のアニメのノベライズ一巻。原作ブレイクなノベライズが多い中、原作のシリーズ構成・黒田洋介が手がけているため、違和感なく読めた。
 原作は群像劇でもあり、非常にたくさんの人物が登場するのだが、本作ではさまざまな人物に視点を移し、内面描写をすることでそれを表現している。この手法により、個々の登場人物の駄目人間さをしっかり描くことが出来ている上、原作では語られなかった細かい設定(ミシェルの過去とか)にも触れられるようになっている。
 加えて、本作のメインヒロイン・ファイナの内面描写というかモノローグが非常に素晴らしい。「人は、過去に縛られてはいけない」云々の短文が四ページに渡って続く続く続く。まったく、萌え萌えです。
 結論としては原作ファンには必読のノベライズだと言えるのだが、続きが現在まで出ていない。orz 作者が別の仕事で忙しいからなのか、電撃文庫にあるまじきエロさ(元はエロゲの企画だという噂あり)が問題なのか、六年ほど放置プレイである。ここまで経つと無理だろうが、どうにかならないものかな……。