『しゃべくり探偵』 八十九冊目

 ホームズ役の保住君とワトソン役の和戸君に漫才をやらせながらそれぞれの事件についての説明、推理を繰り広げていくというユニークな短編集。モリアーティー教授らのパロディキャラが登場するのが楽しい。
 四作品中、お気に入りは「煙草騒動」である。非喫煙者の被害者が死の間際に煙草を吸っていた理由がポイントなのだが、その真相にはびっくりした。
 また、最終話「分身騒動」で個々の事件で張られていた伏線が上手く回収されており、その手法は見事だったなと。