『人獣細工』 五十一冊目

人獣細工 (角川ホラー文庫)

人獣細工 (角川ホラー文庫)

 最近お気に入りの小林泰三の短編集。
「人獣細工」は設定の斬新さ、ラスト一行が綺麗にはまった好短編。「吸血鬼狩り」は二通りの解釈が出来るのだが、どちらとも断定できない仕様になっておりそれが良い。一方の解釈ではラスト一行がとんでもないことになるし。「本」はイマイチ分からなかったが、作中作の評論は割と好きかも。
 総じてどの短編も不安定で独特な余韻を残していて、その後味の悪さが良い。