『シスタープリンセス〜お兄ちゃん大好き〜⑨千影』 八十八冊目

 オカルト趣味な妹。前世の絆で結ばれた「兄くん」を手に入れるべく、幽体離脱して「兄くん」の夢の中に入り込んだりと彼を振り回す日々が描かれる。
 本書に触れる前は比較的どうでもよかったが、実はかなり良いキャラだった。私は六話目の「小さい王様と三つの願い」がお気に入りなのだが、最後のパラグラフはこれぞ萌えと言えるものであったし、本書の最後の一文もなかなかのセリフであり、「兄くん…………永遠に…………私のモノになれ」とかおっしゃっておられている。うーん、萌えだ。やはり、前世とか言っちゃうヒロインは良いな。
 あと、この作者の三点リーダーを多用する傾向が本書にはとりわけ顕著だったが、千影の性格を上手くあらわしていたし、全体の雰囲気も効果的に盛り上げていたかなと。